TQCとISO9001

QC(Quality Control=品質管理)は、一部の技術部門の活動領域からTQC(Total Quality Control=全社的品質管理)へと高まり、さらに拡大されたTQCは、TQM(Total Quality Management=総合品質経営)へと発展していきました。
品質管理で、TQCが必要な理由として① 企業の体質改善としての役割を果たす、② 企業の長期的利益獲得に寄与する、③ 製品の働きを通じて社会に貢献する、④ 人間性尊重の手段としての役割をもつ、といった項目を挙げることができます。
TQCが果たす役割や必要性の概念は、経営全般に大きなウエイトを占めており、ヒト、モノ、カネ、技術、情報といった経営資源すべてを包含しており、今日的にはTQMという方が適切かもしれません。
TQCは総合的、包括的な概念であるということに対して、ISO9001は明示された項日を満たす能力について信頼感を付与するものであるといえます。この2つの大きな違いは、ISO9001が評価すべき対象が限定的であるのに対し、TQCは品質経営の目的を達成するために全社全員が参加するその企業なりの経営アプローチであり、必ずしも評価の基準は定められていないことです。
これまでの日本式TQCは、ISO9001 品質システムに負けず劣らず素晴らしいものであることは十分に認識しつつも、社会経済のグローバル化が進展している今日、TQCの枠内に閉じ込もっているわけにはいきません。世界がISO9001を受け入れているのですから、当然、時代の転換期として新しい経営システムを組み込むことが望ましいといえます。