経営理念、経営方針、経営管理

”経営管理”は”経営”と”管理”に分けて考えることができます。”経営”とは「企業の目的を達成する営みである」と要約することができます。そして、その企業の目的を効率良く達成するために営まれる行為が”管理”です。  企業の目的には、第一に「利潤の追求」が挙げられます。企業を興し、継続し続けるためには利潤の追求なくして成り立たないことから必然のことです。しかし、真の目的は何でしょうか。利潤の追求は事業継承の前提条件であって、決して究極の目的ではありません。真の目的は、社会的な目標を含めて、定款や経営理念、社是などに包括的に示されているはずです。
オーナー経営者であることが多い中小企業においては、自らの熱い思いを社是・社訓に託し、たいへん立派な経営理念を額に入れて掲示されていることをよく見かけます。しかし、いかに素晴らしい経営理念であっても、経営の目的となって、中展期目標がつくられ、年次計画、月次計画へと展開されていなければならないはずです。
ここで”管理”とは、「管理のP-D-C-Aサイクルを回すこと」です。経営理念をベースにして、経営環境を的確に分析して、経営目標を設定します。そして経営資源を最適に組み合わせて、経営活動を実行・統制し、成果を評価し、経営スキルをアップし、新たな経営目標を策定し続ける一連の活動のことです。
このように体系的な”経営管理”を現実の場で行なっている中小企業は、どの程度存在しているでしょうか。部分的には実行していても体系的に実施しているかとなると、極めて少ない数の企業しか行なっていないのではないかと思います。